2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧
物部はもののふの謂ひ海月為す宴会場を彷徨ふ給仕
諸共に渇く夏野の大向日葵あるいはともに死にしもののふ
黒蝶の鱗粉ほほに光らせて帰り支度の墓参のをとこ
篝火の明るみ昏む本陣にきりぎりす鳴くほどのほころび
赤銅の器にそそぐ乳の白あはれ幼き母の虫好き
煌煌と口に糸引く血の紅を見誤りたり黄昏の雷 黄昏:くわうこん
ぬばたまの冥府つらつら梯子せりしばしば翳る青きほほもて
缶のままに桃喰ひあつてその指を午ちかき日に翳す まくなぎ
夜の空裂けて樹冠の白月のスローロリスや吾瞠きて
霧雨は誰に知られて降るのです余裕のない真夜中のダム湖に