2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧
蟷螂の間合いに居るということに気付いたときのああ敗北感
星空の下旅僧は流されにくいものらのために座っていた
脂取紙で折ったら脂鶴千羽並べてあとはきたかぜ
風雪で損傷しました飛べません 肩胛骨を気遣いながら
月夜には育てちゃいけない(そんなもの)そっとシャワーに流してしまおう
今朝はやく食われることを知りました どうか、ぼくの、義歯に触れてよ
白いのはたぶん玩具かカタパルト 海豹の母はそっと教えた
雪面の兎の跡か必然はノースエンドに白く白く消ゆ
「本当はみつごにうまれたかったの、ふたごではなく」って突然に
黙示録朽廃の音は夜括るヨハネの祝う雪 黒し雲 もくしろくきゅうはいのねはよるくくるよはねのいはうゆきくろしくも
商店街横大劇場の前を過ぎつと名画座へ入る貴婦人は
昨日むいたミカンの皮にそっくりと面と向かって言うのはよそう
いさなとる希薄の海の砂に佇つ土踏まずから縷々ともれつつ
風のない暁月夜 足弱き絹猿従えてゆくだろう
歯の多き男の腕力もて今日の利便を支えておりぬ
この町のカードはキラとゆらめいて図書館建設予定地のごと
いにしえの偉い魚の棲むという湖に潜り記憶失う
キミが鷺ボクが魚たる世もありて逆しまのことも幾度かあり
早梅の風は眉毛に柔らかく昨日交わした嘘も忘れる
隠らし身北極さ虹の色揃い 野路に咲くよき蕾白ぐか かくらしみほっきょくさにじのいろそろいのじにさくよきつぼみしらぐか
わたしだけ色が違うの図書館のカード わたしだけチ・ガ・ウ・ノ・ッ!
最終の観測終えて夜の程ろ 目覚めぬ街を高きより見る
産まれなかった卵らの降り積もる深海底に月は輝く
月だけは見えると歌う盲人の話を驚きもせずに聞く
低温の時代に僕ら飽食し終齢幼虫ははりさけていく
あおあおき空よ東に上がる観測風船は点と消えゆく
双の手に薄き果集め山羊飼いは山羊飼いとして草原に佇つ
南風つよい晩には隣からもれ聴こえくる atar a la rata[鼠捕り歌]
刈萱も悲し今手に償いの靴にて舞いしなかも焼かるか かるかやもかなしいまてにつくのいのくつにてまいしなかもやかるか
くりかえすただくり返すこととしてチル散るミチル海もサクラも